ブログ「相続の現場から」

遺言書の「花押」有効

投稿日:2014年10月27日

本日平成26年10月27日(月)付の新聞に『遺言書の「花押」有効』の記事がありました。

 

今回、自筆証書遺言に使われた「花押」は有効かどうかが争われた裁判で、福岡高裁は「花押は印と認定できる」と判断しました。

「花押(かおう)」とは、自署が簡略化しその人独特の形に模様化したサインのことであり、江戸時代までは実印の役割を果たしていたそうです。

 

今回の裁判で争われているのは「印鑑」についてですが、実際の現場でよく起こるミスは「日付」です。

 

自筆証書遺言を作成する場合、遺言者が遺言の全文、日付及び氏名を自書し押印する必要があります。

その中で、日付は間違いや漏れが多く、

「平成26年10月」で終わっているもの、

「平成26年10月吉日」等日付を特定できないもの、

「平成26年10月  日」と日をブランクにして後で埋めようと考え忘れてしまっているもの、

そもそも書き漏れているもの等

が散見され、後々争族を生む原因の一つになっています。

 

また、日付の記載漏れ(間違い)があると、家裁で自筆証書遺言の検認を受けることが出来ず、相続後の名義変更や所有権移転登記にも支障をきたしてしまいます。

 

やはり公正証書遺言の方が安心なことは確かだと思いますが、最近の相続対策ブームで遺言書を作成する方が増え、それ自体は何等悪いことではありません(むしろ良いことだと思います)が、安易な素人知識や思い込みで法的に間違った遺言書を作成する人が増えてしまったり、自分達の儲けのための遺言作成推奨の口車に乗せられ希望と異なる遺言書を作成させられてしまったり、そのような事態とならないか、心配が尽きません…。

 

「遺言書」は最後の気持ちを遺す大事な作業です。

 

専門知識はもちろん、相続後の姿をイメージ出来、かつ人の気持ちが分かる専門家に相談することをお勧めします!

 

 

 

 

 

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