投稿日:2014年10月16日
平成26年10月16日(木)付の新聞に『未成年後見人が保険金横領「家裁の監督 不適切」』の記事がありました。
ついにここまで来たか…と思いました。
交通事故で死亡した母親の保険金を、受取人である娘の未成年後見人だった祖母が横領しました。この事件で祖母は有罪判決を受けています。
今回、「祖母が横領したのは宮崎家裁が適切に祖母を監督しなかったからだ」と、後見を受けていた娘が国を相手に2,600万円の損害賠償を求め、宮崎家裁は国に2,500万円の支払いを命じました。
判決を見ると、確かに家事審判官の対応には問題があったようです。
この記事を読み、僕が心配になったのは、国の対応ではなく、後見制度や民事信託等、高齢者や社会的弱者を守る制度を悪用した心無い犯罪が増えてきている現状についてです。
「自分が認知症になったら息子に身の回りのことから財産管理まですべてお願いしたい(任意後見)」、「判断能力が衰えると困るので今のうちにアパートの管理を娘に託したい(信託)等」、どちらもとても大事な手続きです。
しかし、息子や娘が自分の事情や勝手な判断で、親の意向を無視した形で財産を使ってしまう…。
身内(親族)に騙されたら、一体誰を信じたら良いのでしょうか?
1つ悪い例が出ると、その制度すべてが悪いような雰囲気に陥ってしまいがちです。
確かに、世の中には、困っている人の気持ちにつけ込み、自分達の儲けだけを考え制度の利用を促している人もいるようです。
悪い方向に進まないように、本当に困っている人の助けになれるように、「我々のような立場の人間が間違いのないよう運用していかないといけない」と身が引き締まる思いがしました。
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