ブログ「相続の現場から」

相続訳第1弾「私は揉める気ないから」

投稿日:2016年1月8日

相続手続きの場でよく出てくる言葉。

「私は揉める気ないから」

 

この言葉の意味、知っていますか?

 

まだ駆け出しの頃は「良かった、話の分かる人で」と思っていましたが、現場経験を重ね、真の意味が分かるようになりました。

 

「私は揉める気ないから」

この言葉が出たら、要注意です。

 

この言葉の真の意味は、

「私の意にそぐわないような遺産分割になったら怒るわよ。そうなったら当然揉めるでしょ。それが嫌なら、私が納得するような遺産分割にしなさいよ。」

です。

 

言い換えると、

「(この相続を)揉めさせたくないなら、私に気を遣った、私に配慮した、私の希望が叶うような遺産分割にしなさい。じゃないと、せっかく『揉める気ない』と言っている(なんちゃて)穏健派の私が切れるわよ」

とも言えます。

 

先日も、ある相続人から出た発言が、

「私は揉める気ないのですが、兄がね…」

 

きた~!!!!!!!!!!!

 

「と言うことは、自分に有利な遺産分割をご希望ですね?」

「お兄様次第では揉める気満々ですね?」

と言いたいのをグッと我慢し、

「さすがですね!」

と、口で言いつつ、変な汗が出てしまう僕でした。

 

次回は

「とにかく平等にして頂戴」

をお送りします。(←嘘です)

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