ブログ「相続の現場から」

相続訳第3弾「先祖からの財産を守りたいだけなんです」

投稿日:2016年1月21日

相続の現場で良く出る言葉、

「先祖からの財産を守りたいだけなんです」

この言葉が出たら、要注意です。

 

この言葉は、長男や長子から良く出ます。

家督相続の時代でないとは言え、

「長男なんだから先祖代々の土地を守らないといけないんです」

「長子としてしっかりしないと天国の両親に怒られてしまいます」

なんて立派な心構えだなあ…なんて思ったあなた、その相談が相続発生前(相続対策検討中)でも、相続発生後(相続手続き中)でも、後々困った問題に発展すること間違いなしです。

 

この言葉は、

「自分が財産を沢山相続したい」

「ほとんどの財産を自分が相続したい」

時に使用されます。

 

さすがに「財産を沢山相続したい」とダイレクトに言う訳にはいかず、相手や関係者を味方につけるべく真の目的をオブラートで包み、もっともらしく聞こえるような言い回しで口に出すと、「先祖からの財産を守りたいだけなんです」となります。

 

以前、兼業農家の相続手続きを手伝った際、相続人である長男がこの言葉を口に出したことがありました。

被相続人は父、相続人は子4人(上から順番に、長女・二女・三女・長男)。

長男はバツ1、50歳前に仕事を辞め、親から生活費の援助を受け生活していました。

その遺産分割協議の場で長男から出た言葉が、「先祖からの財産を守りたいだけなんです」でした。

長男の魂胆見え見え、「アパートがあれば生活楽々、いざとなったら県道沿いの土地を売却すれば一生遊んで暮らせる」と思っているだけにしか見えません。

 

きっと、天国のお父さんは泣いてるでしょう。

でもそんな子に育てたの、お父さんですからね。

争族にならないように、元気な内に相談してくれれば良かったのに…。

 

第4弾は

「お任せします、先生のいいようにやって下さい」

をお送りします。(←嘘です)

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