投稿日:2016年10月12日
「相続税対策」として不動産投資を検討するケース、多いと思います。
マンションを取得したり、アパートを建築したり、保有物件を買い替えたり等、その方法は色々です。
どの方法も、<時価>と<相続税評価額>の乖離を活用したスキームが共通ですね。
ところが、悲しいことに、最近首都圏を中心とした“不動産バブル”に便乗し、「相続税対策」の旗の下、相場よりも高値で不動産を売り付ける業者がいるらしいのです。
しかも、厄介なことに、業者が売値をつり上げればつり上げる程、節税効果が高まってしまうんです。
何故かと言うと、「高く売れば売る程、<売買価格(時価)>と<相続税評価額>の乖離が大きくなる」からです。
例を出して説明しましょう。
金融資産や現金をたくさん保有し、相続税を心配している方がいます。
仮に、その方を山本さんとします。
山本さんが死亡した場合、相続税が20%かかるとします。
山本さんが、現金で【時価4億円、相続税評価額3億円】の不動産を購入した場合、山本さんの現金が4億円減り、相続税評価額3億円の不動産が増え、その後山本さんが死亡した場合遺族が相続税6千万円(=3億円×相続税20%)を支払い、結果、相続税納税後の時価ベースでの手取り額は3億4千万円(=時価4億円-相続税6千万円)になります。
もし山本さんが同じ不動産を【6億円】で購入した場合、山本さんの現金が6億円減り、相続税評価額3億円の不動産が増え、その後山本さんが死亡した場合遺族が相続税6千万円(=3億円×相続税20%)を支払い、結果、相続税納税後の時価ベースでの手取り額は5億4千万円(=時価6億円-相続税6千万円)になります。
高値で購入すればする程節税効果が大きくなることが分かりますね。
時価が適正であれば何等問題ないのですが、実力以上に時価が高い場合、目先の節税に目がくらみ、高値掴みしてしまわないとも限りません。
美味しい話には裏があります。
楽して儲かる話はありませんので、十分注意して下さい。
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