ブログ「相続の現場から」

平成27年の相続税課税割合

投稿日:2017年2月6日

先日、国税庁から「平成27年分の相続税の申告状況」が公表されました。

基礎控除額の引下げ後初の公表ですので、<申告件数><課税割合>がどう変わったのか気になります。

 

基礎控除額引下げ直前の平成26年分と比較してみましょう。

 

●死亡者数:<平成26年>127万人 ⇒ <平成27年>129万人(+2万人)

●相続税申告書:<平成26年>7.3万件 ⇒ <平成27年>13.3万件(+6万件)

・うち相続税納税ありの申告書:<平成26年>5.6万件 ⇒ <平成27年>10.3万人(+4.7万件)

●相続税課税割合:<平成26年>4.4% ⇒ <平成27年>8.0%(+3.6%)

 

死亡者数が2万人しか増えていないのに、税務署へ提出された相続税申告書の件数(相続税あり)が5.6万件から10.3万件に、ほぼ倍増していることが分かります。

また、相続税の課税割合も4.4%から8.0%に、ほぼ倍になりました

 

基礎控除額が引下げられた平成25年度の税制改正時、財務省は「課税割合は6~7%に上がる可能性がある」と言っていましたが、実際はもっと高くなりました。

これは、<アベノミクス>や<黒田バズーカ>と言った景気刺激による財産(土地、株等)価値の上昇と、「小規模宅地等の特例」の改正の影響によるものだと思います。

 

今回、課税価格が1億円以下に係る申告書の件数も公表されました。

 

●課税価格1億円以下の相続税申告書:<平成26年>3.0万件 ⇒ <平成27年>8.8万件(+5.8万件)

●相続税申告書のうち課税価格1億円以下が占める割合:<平成26年>40.8% ⇒ <平成27年>66.1%(+25.3%)

 

相続税申告書総数が6万件増えたうち、5.8万件(約97%)は課税価格1億円以下でした。

 

これは、「超資産家・超富裕層の手間が増えたのではなく、都心部であれば<自宅>と<老後の資金>程度の財産しか保有していなかった方が死亡した場合でも相続税の申告書の提出が必要になった」ことを意味します。

 

相続ビジネス大流行りの理由が分かりますね。

 

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