ブログ「相続の現場から」

新聞の見方「最後にツケを払わされるのは誰か…」

投稿日:2017年3月26日

平成28年3月26日(日)付の新聞に『アパート融資 異形の膨張~年3.7兆円 新税制で過熱~』の記事がありました。

本記事、<良い意味>でも<悪い意味>でも“突っ込み処満載”なので、いくつか斬ってみたいと思います。

 

①すぐ数軒が目についた。「入居者募集中」。1キロ平方メートルほどの地区に数十軒以上が密集するアパート銀座だ。表札付きの部屋は一部で駐車場の車もまばら。徒歩圏内に駅もないこの地になぜなのか。「ブームだからと不動産業者があちこちに営業をかけた」。

 

⇒ アパート建築はブームで行うことではない。

  ブームは「需要と供給」に一切関係なし。

 

②自身も約10年前、業者の勧めで銀行から約2億円を借りて畑にアパートを建てた。

 

⇒ 畑に人はいません。

  何故、畑の中にアパートを建てても大丈夫だと思ったのか?

 

③理由の一つは、15年の税制改正で相続税の課税対象が広がったことだ。アパートを建てると畑や更地などより課税時の評価額が下がるため地主らが相続税対策で一斉に建築に走った。

 

⇒ 確かに相続税評価額は下がるが、あくまでアパート経営は事業であり、「入居者がいなければ事業として成り立たない」という前提が無視されている。

 

④マイナス金利で貸出先を模索する金融機関も融資に動き、東京都の郊外などにとどまらず東北や山陰といった地方部にも異様なアパートラッシュが広がった。

 

⇒ <銀行の手数料稼ぎに踊らされているだけ>と言う事実に気付かないと。

 

⑤融資急増の反動も出ている。「家賃減額分を支払ってほしい」。愛知県に住む80歳代の男性は2月、不動産大手を相手取った訴訟を地裁に起こした。「10年は家賃が変わらない契約だったのに、6年後に10万円減額された」と主張している。

 

⇒ 同様の動きは全国的に見られます。

  最後に誰がツケを払わされるのか、気付かず実行したオーナーも悪い。

  無知を理由に付け込んだ業者も悪いが、無知を理由に人のせいにするオーナーも悪い。

 

⑥男性はある契約を交わしていた。家賃徴収などを会社に一任する「サブリース」で、契約で決めた家賃を大家に払い続けるためリスクが少ないとされる。だが契約大家でつくる会によると、業績悪化などを理由に家賃を減らし、トラブルになるケースが増えている。

 

⇒ 20年以上前にサブリースは「空室保障」であり「賃料保証」ではない旨判決が出てること、知らなかったのかな?

  お互い様です。

 

⑦融資を受ける場合、毎月の家賃収入が返済額を下回ると収支が逆ざやになり、運営を続けられなくなる恐れがある。

 

⇒ 当たり前の話。

  そのリスクを踏まえず実行しちゃ駄目でしょ。

 

⑧津市内のある大家は「不動産業者の紹介で2つの都市銀行から数億円借りたが事業性などの質問はほぼなかった」と証言する。中長期の入居見込みすら確かめていない可能性がある。

 

⇒ うわ、レベル低。

  でも、銀行は貸したお金が返ってくればOKなので、「担保十分なので事業性は無視」と楽に仕事を進めようとしたのかも。

 

⑨借り手には相続対策が必要な富裕層が多いこともあり、返済不能になっても担保の土地を没収すれば銀行の懐は痛まない。

 

⇒ 正解。

 

⑩ただ人口が減り続けている地方都市で担保価値は長い目でみて当然、目減りしていくはずだ。調査では給与から返済している事例も見つかった。

 

⇒ まともな銀行は(自分達が損しないように)その前に回収等何等かの手を打ってくるでしょう。

  損するのはいつも素人。

 

 

そもそも、金融庁は銀行をどうしたいのでしょうね。

 

「儲けろ」と言ってる反面、投信や保険販売にアレコレ注文をつけ販売にブレーキをかけ、「融資を増やせ」と言っても、借りる先がない(借入ニーズが乏しい)ことは明らかであり、その環境を変えるのは銀行の仕事ではなく政治や役人の仕事のはず。

 

自分達の無能を現場に押し付けないで欲しいと思います。

 

●今後人口が減少し続けるのが確実

●地方(郊外)に人は住めなくなるのは明らか

にも係わらず、建築規制しないのもおかしな話です。

 

景気に水を差す VS 空き家を減らす

今の所この綱引きは「景気を水を差す」方が強いようです。

 

最終的にお尻を拭くのは、素人地主でしょうね

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