ブログ「相続の現場から」

相続と双方代理

投稿日:2017年5月2日

相続で一番厄介なのが「争族」

嫌がる相手に印鑑をつかせる魔法はありません。

 

「争族」対策に比べたら「相続税対策(節税)」なんて楽勝です。

(誤解を恐れずに言うと)手段と方法を選ばなければ、世の中に相続税をゼロに出来ない案件はありませんから。

それで相続人が幸せになれるかどうかは別問題ですが…。

 

「争族」になっても、10か月以内に相続税を納税しないといけないし、預貯金は名義変更しないと下ろせないし、全員の印鑑が揃わないと不動産は売却できないし…遺産分割が終了しない限り相続は終わりません

 

当事者で話し合いがまとまらないと登場するのが弁護士です。

弁護士は双方代理が出来ません。

弁護士は、依頼主の利益を最大限実現することが使命であり、(相手の立場云々よりも)とにかく依頼主の利益のためだけに邁進します。

 

多くの場合、どちらかが弁護士に依頼すると、相手も弁護士に依頼することになり、そうなると専門家同士「阿吽の呼吸」により法的根拠を拠り所に大人の解決に向け話し合いが進んでいきます。

 

僕はここが問題だと考えています。

(弁護士法72条(非弁活動)及び「やっていいかどうか」は別にして)

「争族」の解決には双方代理が必要な場合が多く存在します。

 

例え依頼主であっても「もっと貰えるはず」と勘違いしているなら正し、敵対する相手の話にも耳を傾け、互いの立場や状況に配慮し、落とし処を見据えて歩み寄らせる。

「争族」には、そんなスキルを有した誠実な第三者、合法的に双方代理が出来る第三者の介在が不可欠だと思います。

 

その立場を務める人には、法務、税務、不動産、手続き等、相当広範囲に渡る知識と経験、そして交渉力、行動力、倫理観等高い人間力が求められるでしょう。

 

いつかそんな資格が出来ないかなあ…。

 

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