投稿日:2018年7月18日
新聞等で報道されている通り、国税当局が節税効果の高い「一定期間災害保障重視型定期保険」を問題視しています。
現行の法人税基本通達では「契約者=法人、被保険者=役員等」とする定期保険の保険料は全額損金に算入できることとなっています。(法人税基本通達9-3-5)
法人税基本通達9-3-5(定期保険に係る保険料)
法人が、自己を契約者とし、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者とする定期保険(一定期間内における被保険者の死亡を保険事故とする生命保険をいい、傷害特約等の特約が付されているものを含む。)に加入してその保険料を支払った場合には、その支払った保険料の額(傷害特約等の特約に係る保険料の額を除く。)については、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次により取り扱うものとする。
(1)死亡保険金の受取人が当該法人である場合 その支払った保険料の額は、期間の経過に応じて損金の額に算入する。
(2)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合 その支払った保険料の額は、期間の経過に応じて損金の額に算入する。ただし、役員又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としている場合には、当該保険料の額は、当該役員又は使用人に対する給与とする。
ところが、「一定期間災害保障重視型定期保険」は、当初の数年間は災害による死亡についてだけ保険金を支払い、病気による死亡には保険金を支払わない、“死亡保障の範囲の絞りこみ”が特徴であり、その代わりに契約途中の解約返戻金が高く設定されています。
そして、一定期間を過ぎると解約返戻金は急激に下がっていきます。
つまり、途中解約を前提とした商品であり、そこに着目した「節税目的での保険加入」が問題視されているのです。
現在、国内大手保険会社や外資系保険会社が販売を競っており、かなり売れています。
早ければ年内にも通達改正され、現在の全額損金が(過去の例から)「2分の1損金になるのでは」と言われています。
尚、過去は通達改正された場合でも施行日前に締結された契約には訴求しなかったので、今回も施行日前までに契約を締結すれば引き続き全額損金算入OKとなる可能性が高いと言われています。
だからと言って「今のうちに…」は駄目ですよ!
※本件は確定情報ではありません。
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