投稿日:2020年11月5日
アパートオーナーに相続が発生した場合、その建物は「固定資産税評価額×70%」で評価されます。ここで控除される30%は入居者が有している借家権ですね。
では、逆に、アパート入居中の父が死亡した場合、父が有していた借家権は相続税の対象財産になるのでしょうか?
父の借家権は相続税の対象財産になりません。
しかし、借家権が対象になる場合があること、ご存知ですか?
例えば、銀座(東京)等、(新型コロナウイルス感染症の影響を受けなければ超賑わっているであろう)超繁華街でお店をやっていた場合です。何故かと言うと、借家権自体が取引の対象となるからです。
お店をやっていた父が死亡した場合、父が保有していた借家家が取引の対象になるのであれば、それは相続税の対象財産になりますのでご注意ください。と言っても、その評価は原則として「固定資産税評価額×30%」ですから借地権と違いそれ程高額にはならないはずです。
浅草「浅草寺」の参道に立ち並ぶ有名な「仲見世」の利用権は時々取引されるようです。それもかなりの高額取引とのこと。(一説には億と言う噂を耳にしたことがあります)
しかし、行ったことがある人はお分かりだと思いますが、仲見世にあるお店はどれも古く、恐らく固定資産税評価額は相当低いでしょう。なので、仲見世でお店をやっている父が死亡した場合、借家権の【時価は高額】/【相続税評価額は低額】となりますので相続税対策になる?…と考えていいのでしょうか…。
僕には分かりません。実態とかけ離れた評価額ですから、伝家の宝刀(総則6項)が抜かれるのか、営業権として評価するのか、何らかの方法で検討することになるのでしょうね。
すすきの(札幌)、錦三(名古屋)、ミナミ(難波)、中洲(博多)等全国に有名な繁華街はたくさんありますが、どの地域が対象になるのか(どこが借家権の取引慣行がある地域なのか)明確に書いてあるものは存在しません。
一説には「三大都市圏の高級ブランドがひしめき合っているような一部のエリアだけ」と言われていますが…。
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