投稿日:2021年3月8日
令和3年2月17日(水)の新聞に『認知症患者の預金引き出し~代理権ない親族も~全銀協案』の記事がありました。
時代を感じますね。
親が認知症になった場合、親の預貯金を引き出すためには後見制度を利用するのが基本になります。後見制度を利用すると、家裁関与、後見監督人関与と、何をするにも手枷足枷がつき、お金もかかります。親のためなんだからそんなにうるさいこと言わなくても…こんなはずじゃなかったのに…と制度を利用してしまったことを後悔している家族もたくさんいます。
「不正がないように」という趣旨は分かるのですが、出来れば避けたい制度と言えるかもしれません。後見制度は、親子が離れて暮らしている、親のお金を狙っている子がいる等、どうしてもの場合に限定して利用すべきと思います。
恐らくこのような新聞記事を読むと、信託推進者の鼻息は荒いでしょうね。「信託を組めばこのような問題は起こりません!」なんてアピールする格好の材料ですから。
親のお金を子が管理するのは、実はそれほど難しくありません。後見制度、信託、財産管理委任契約、事務代理契約等、ややこしく面倒・お金がかかる制度を利用しなくても大丈夫です。
条件はただ一つ、「家族が仲良しなこと」。
家族が仲良しであれば、お金をかけず、ややこしいこともなく、親のお金を楽に管理できます。
後見制度を利用しても、信託を組んでも、親子で契約を締結しても、家族の仲が悪ければ将来トラブルが起こります。また、色々と“抜け道”がありますので、悪いことを考えている子であれば親のお金を私的に使用できてしまいます。
結局、法的な制度を利用しようが、ズルしようが、家族の仲が悪ければ問題が起こり、家族の仲が良ければ何も問題が起こらない、これが現実です。
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