ブログ「相続の現場から」

新聞の見方「理想的な事業承継」

投稿日:2021年7月20日

令和3年7月7日(水)付の新聞に、『上島熱処理工業所の事業承継』に関する記事がありました。

 

東京・首都圏経済の欄に連載されている「私たちの事業承継」の一つなのですが、理想的な事業承継だなあと感心しました。(もちろん記事のとおりであれば、の話ですよ。)

 

同社は祖父がS31年に創業し、父は二代目、現在社長を務める長男は三代目になります。

 

①父が77歳、長男が41歳の時に世代交代したそうですが、父自身が「IT(情報技術)を経営に生かせる世代がトップの方がいい。記憶力も衰えたと感じた」とあります。

 

⇒まだ息子には早い、俺はまだできる!と地位にしがみつく親が多い中、素晴らしい決断ですよね。もちろん長男にその器があるからそう思ったのでしょうけど。

 

②長男は大学や大学院で家業に関連する分野を専攻し、その後大手取引先で修業してから入社しています。

 

⇒若い時からベースとなる知識をしっかり身につけ、外から自分の会社を見せ、経験を積ませてから戻す、素晴らしいですね。

 

③長男は、上島熱処理工業所に入社後に中小企業大学校で経営者向け研修を受講しています。

 

⇒知識や技術だけでなく、経営者としてしっかりマネジメントを学んでいます。経営がよく分かっている証拠ですね。

 

④リーマン・ショック後の株価下落局面を上手く利用し、自社株を後継者へ移しています。長男が贈与税を払えるよう給与も上積みさせています。

 

⇒「株式承継の千載一遇の機会」と思ったと書いてありますので、相当優秀なブレーンがついているのだと思います。全体を見渡して策を講じていますから。また、親の判断スピード・決断力も抜群ですね。

 

⑤創業者の相続対策として「相続人を父、母、長男の3人にして税額を減らした」とあります。

 

⇒養子縁組&遺贈を行ったのでしょうね。世代飛ばしを狙った対策ですので、古くから計画的に相続対策を立案していたと思われます。

 

なかなかこう上手くいくものではありません。それぞれ色々な事情がありますから。しかし、上島熱処理工業所は理想的な例ですよね。

 

事業承継には、技術、人、資質、お金、税金、制度、法改正、ブレーン、従業員、銀行、マネジメント、取引先、タイミング…、色々なことが複雑にからみあってきます。そこを上手く泳ぎ切った先に明るい未来が開けています。

 

「成功事例から学ぶことはあまりない」と言うのが僕の持論ですが、この案件からは学んでみたいと思いました。

 

メールアドレスを登録

相続実務研修吉澤塾

  • 半年コース

1日コース

  • 一日集中講座
  • 事業承継一日講座
  • 民法改正一日講座

お客様・参加者の声

ブログ「相続の現場から」

相続診断協会

pagetop