投稿日:2021年12月17日
令和3年12月8日(水)の新聞に、『資産承継支援の商品続々~証券会社、高齢者つなぎ留め~』の記事がありました。
「証券各社が、顧客の高齢化により商品が売れなくなる事態を打開すべく新商品を投入する」という内容ですが、いくつか???と感じた部分があります。
顧客が高齢化すれば当然リスクのある運用は避けられるようになります。証券会社は顧客の現金を預かっても儲かりませんから、何らかの対応を必要なのは分かります。
そこで、記事によると、
●民事信託で受託者(恐らく子)が親の資産運用を継続できるようにする
●ファンドラップの運用状況を家族と共有する
●高齢者対応の専門職を導入する
等、色々と対策を講じているそうです。
ちょっと待って!
「民事信託で高齢者が株式に投資できるようにする」とありますが、高齢者って株式投資を望んでいるの?高齢者って投資適格者なの?高齢になったら難しい商品じゃない方が良くないですか?継続して欲しいのは売り手側のニーズであって顧客ニーズじゃないんじゃないの?職員の皆さんに聞きたいのですが、あなたの親が90歳になっても株式投資し続けて欲しいですか?
ファンドラップって誰が儲かるの?子ども達は親が高齢になっても投資し続けていて欲しいと思っているの?高齢になったら安全志向で良くないですか?家族を巻き込んでなし崩し的に投資し続けさせるってどうなんですか?
高齢者対応の専門職って、その人に給与払っている会社側の意向を無視して「高齢になったら資産運用は控えましょう」って言ってくれるんですよね?「専門職がOKと言ったから」と資産運用にお墨付きを与える隠れ蓑じゃないですよね?
長生き、高齢化は日本全体の問題ですから、そこに対応する社会を作っていくことに何の異論もありません。
ただ、自分達の利益に結び付ける制度をあたかも顧客のための制度のように言うのは、ちょっと違うのでは…と思います。
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