投稿日:2022年1月6日
令和4年1月5日(水)付の新聞に『中小M&A仲介~悪質業者を排除~経産省、補助金対象外に』の記事がありました。
事業承継バブルの中、ますます盛り上がりを見せるM&A業務について、国が質に関する懸念を抱いている状況が浮き彫りとなりました。
中小企業庁に対し中小企業のM&A支援機関として登録申請した事業者の数は、2021年10月15日現在2,278件(法人1,700社、個人578名)だったそうです。
中小企業庁の「事業承継・引き継ぎ補助金(専門家活用型)」を受けるためには登録されたM&A支援機関が提供するサービスを受ける必要がありますので、経済産業省としては不当な手数料や買取り価格を提示する悪質業者を排除し、補助金の対象から外したいと考えているようです。
M&A業務を行うために特別な資格や免許は必要なく、参入障壁が低いため、質を担保できないのが問題と言われています。
また、M&Aは成功報酬が基本ですので、
●売り手の簿外債務を買い手側に隠す
●適正水準を上回る価格を提示する
●高く売れる可能性をちらつかせ着手金だけ受け取り放置する
等、「成約してなんぼ」的な強引な提案もあるようです。
M&A仲介の多くは売り手と買い手双方から手数料を取る「両手取引」=双方代理ですので、それで本当に依頼主のために働いていると言えるのか、疑問が残ります。
空前の事業承継ブームにより、専門のM&A事業者や金融機関はもちろん、コンサル会社、税理士や弁護士等の士業等様々なプレイヤーがM&A市場に参入しています。
「こんなはずじゃなかった」と嘆く前に、複数の専門家から話を聞き、中立の立場で意見できる人を見つけ、自らの身を守る行動を心掛ける必要があります。
「自分の身を守れるのは自分だけ」ですよ。
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE