投稿日:2022年2月4日
令和3年4月28日に交付された「民法及び不動産登記法」の改正により、今後は相続等に伴う所有権移転登記(相続登記)が義務化されることになります。
昨年12月、法務省より、同義務化の施行日が令和6年4月1日に決定した旨の発表がありました。
今後、不動産を相続した人は、相続が開始して所有権を取得したことを知ってから3年以内に相続登記を行う義務が生じます。
理由なく登記を怠り3年経過すると10万円以下の過料に処せられる可能性がありますので注意が必要です。
「相続が開始して所有権を取得したことを知ってから3年以内」とは、
①相続が開始した(被相続人が死亡した)事実と、
②自分がその被相続人から不動産を相続した事実、
両方を知ってから3年以内を意味しますので、単に死亡したことを知っただけとか、死亡したことは知っていたが故人が不動産を所有していたことは知らなかった等の場合には相続登記の義務はありません。
ここで気をつけないといけないのは、相続登記が義務化されるのは令和6年4月1日以降に開始した相続だけと勘違いしないことです。
通常罰則等が適用となる法改正は施行日以降の行為に適用されるのですが、相続登記の義務化は既に開始している過去の相続についても適用されるのです。
例えば、昔死亡した祖父母等の不動産があり、令和6年4月1日の時点で登記がまだ故人名義のままだった場合、
①相続開始の事実と不動産の所有権を取得した事実両方を知ってから3年以内
②令和9年3月末日(令和6年4月1日から3年以内)
のどちらか遅い方までに相続登記を行わなければいけません。
「どちらか遅い方まで」ですので、多少猶予期間が設けられていますが、それでも遅くても令和9年3月末日までに相続登記しないといけません。
相続登記の義務化は過去に遡及して適用されますので、上記の例のような場合、早期に登記手続きを行わないと10万円以下の過料に処せられる可能性があるのです。
まだ施行日まで2年以上ありますので、今のうちに保有不動産について名義の確認を行い、直前になってドタバタしないよう準備しておきましょう。
尚、登記の義務化については、①相続登記と、②住所や氏名の変更登記の2つがあるのですが、今回施行日が発表されたのは①相続登記だけです。②住所や氏名の変更登記については公布の日より5年以内(令和8年4月28日まで)に施行することになっていますが、まだ具体的な施行日は発表されていません。
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