投稿日:2022年2月14日
相続財産の評価で一番難しいのは間違いなく「不動産」です。
財産評価基本通達だけでも相当難解なのに、各自治体の条例、都市計画法や建築基準法、道路法、農地法等数多くの関連法規が関係し、更に現況と図面のズレ、相続開始日の状況、権利関係、相続の仕方…、もう幅が広すぎて何をどうしたら良いのか、どうやって理解したら良いのか、困ります。
なので、申告を手掛けた税理士によって評価に差が出るのです。
実際に税理士と一緒に不動産の現調(現地調査のこと)を行うと、
不動産を正しく評価するために重要なのは“注意力”と“センス”だと感じます。
もちろん、「条文等の読み込み」や「過去の判例等の理解」等の机上の知識と言うベースがあってこその話ですが、せっかく学んだ知識の引き出しも、現場で開かなければ意味がありません。
納税者は少しでも税負担が軽くなる方が嬉しい訳ですから、不動産を評価する際(合法的に)できる限り低い評価となるよう頑張ることが専門家に求められます。
実は、不動産って加点して評価が上がる項目って意外と少ないんです。角地であるとか、裏にも道があるとか、数える位しかありません。
一方、減点項目は盛り沢山です。間口が狭い、奥行きが長い、形が悪い、広過ぎる、嫌悪施設が見える、傾斜がある、道が狭い、敷地に高低差がある、建築制限がある、法規制がある…言い出したらキリがない位たくさんあります。
そのヒントはすべて現場にあります。
評価の引き下げは、現調の際「いかにお宝を見つけられるか」にかかっているのです。
つまり、【宝探しゲーム】的に「何かないかな?」と秘宝を発見するセンス、【間違い探しゲーム】的にちょっとしたズレを見つける注意力等が求められるのが不動産評価の実務なのです。
自社株も会社保有の不動産の評価によって大きく左右されますから、個人だけの問題ではありません。
4月から始まる相続実務研修『吉澤塾』初の試み<不動産コース>では、現場に強い本物の相続コンサルタントを養成する研修として、このような本を読んだだけでは分からない活きた実務にこだわり講義していく予定です。
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