ブログ「相続の現場から」

迫る、大型贈与の期限

投稿日:2022年8月1日

昨年から業界を賑わせている「贈与税の改正」の行方。

 

関心が高いのは、「110万円の基礎控除額」なくなるのか減額されるのか相続時の持ち戻し期間が3年より長くなるのかですが、贈与税の非課税制度には110万円以外にもいくつか大型の制度があり、その適用期限が迫っています。

 

教育資金として等へ1,500万円贈与しても非課税となる「教育資金の一括贈与」。その適用期限令和5年3月31日迄となっています。

 

あと8ヶ月しかありません。

 

信託銀行等で手続きしないといけない教育資金等にしか使用できない使い残すと課税対象になる等の問題はありますが、子孫の教育のために(貯めるだけで使われない)高齢者のお金が活用できる上、両親及び祖父母の相続税対策にもなりますので、拠出する側・される側双方に大きなメリットがあります。

 

節税効果が高く、かつ即効性があるため、「富裕層を中心としたお金持ち相続税対策として活用しているだけ」と言う批判がその効果を物語っています。(だから改正のヤリ玉に挙がっているのですが…。)

 

「教育資金の一括贈与」は過去延長されていますが、与党「税制改正大綱」を読む限り、「今回は延長されない可能性が高いだろう」言われています。(規模を縮小した上で延長される可能性はあるかもしれません。)

 

申し込む際、必要書類が多いですし、手続きに要する時間もかかりますので、相続対策を検討されている(資金に余裕がある)方は、早目にご検討ください

 

その他、「結婚・子育て資金の一括贈与」適用期限令和5年3月31日迄ですが、この制度は活用する人がほとんどいませんので、これはいいでしょう。

 

「住宅取得等資金の贈与」適用期限令和5年12月31日迄となっていますが、この制度は景気刺激としての政策的な制度であり、過去何度も形を変え(規模や贈与金額、年数等)延長が繰り返されてきた経緯がありますので、恐らくまた形を変え延長されるのだろうと思っています。

 

夏休みに入りました。将来について家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

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