投稿日:2023年7月26日
令和5年7月3日(月)、国税庁より令和5年分の路線価が発表されました。
令和5年7月3日(月・夕刊)『路線価、2年連続上昇~23年分1.5%、経済活動戻る~』
令和5年7月3日(月・夕刊)『繁華街、訪日客でにぎわい~路線価 観光地も宿泊客戻る~』
令和5年7月3日(月・夕刊)『在宅勤務の浸透~脱都心を後押し~埼玉・千葉の住宅地上昇』
令和5年7月4日(火)『路線価、上昇が拡大~23年分1.5%~コロナ前の伸び回復』
令和5年7月4日(火)『路線価、25都道府県で上昇~オフィス回帰けん引~訪日客回復ホテル投資に期待』
令和5年7月4日(火)『都内路線価3.2%上昇~23年、3年ぶり下落地点ゼロ~オフィス需要先行き懸念』
路線価は、公示価格の8割を目安に定められるので、今年3月末に国土交通省から発表された公示価格の結果からある程度数字の予想がつきますので、公表された路線価を見てもそれ程驚きはありません。
ですので、
●25都道府県で平均値が上昇した。
●地方は下落が止まらず回復の兆しが見えない。
●四国は全県でマイナスである。
●都市部の地価底上げをけん引しているのはオフィス需要とマンション需要である。
と言われても、「そうだよね」としか思いません。
地価について、以前は「都心部と地方の二極化(都心部は地価が上昇し、地方は地価の下落が止まらない)」が進むと言われていましたが、最近では同じ県内でも二極化が進む傾向が強く、勝ち組と負け組の差が顕著になっています。
この先、人口減少と相まって、ますますその傾向が進んでいくことでしょう。
さて、本題に入ります。
路線価の上昇は良いことなのでしょうか?
土地は重要な財産であり、「地価(路線価)が上昇する=財産が増える」ことですので本来は嬉しいはずです。しかし、路線価は相続税又は贈与税を計算する時の単価ですから、「路線価が上昇する=税負担が増す」という結果を招くことを考えると、あまり嬉しくありません。
また、同族会社を経営している方にとっては、「会社の保有している土地の路線価が上がる=自社株の評価額があがる」と言うことになりますので、会社の価値である株価が上昇して嬉しい反面、自社株を次世代に承継しようと考えている人にとっては頭が痛い話になります。
地価の上昇は路線価だけではなく固定資産税評価額にも影響を与えますから、「地価が上昇する=保有している土地の固定資産税の負担が増す」ことになり、やはりあまり嬉しくありません。
そう考えると、路線価が上昇して嬉しいのは税収が増える国や地方自治体だけのような気がします。
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