投稿日:2023年9月4日
2019年7月1日に民法改正が施行され、相続人ではない親族が被相続人の療養看護を行った場合、一定の要件の下、相続人へ金銭の支払いを請求することができるようになりました。
この金銭のことを「特別寄与料」と言います。
果たして特別寄与料は“使える”制度なのでしょうか?
特別寄与料の概要は次の通り。
①無償で被相続人を療養看護したこと。
②請求できるのは被相続人の親族だけ。
③相続人に対し、法定相続割合で請求する。
④請求できる期間は、相続を知った時から6ヶ月以内又は相続開始の時から1年以内。
相続人には「寄与分」がありますが、相続人ではない親族(例えば長男の嫁とか)には相続権がないため寄与分はなく、遺言等がない限り相続により財産を取得することができません。
そこで、民法改正により、相続人ではない親族の貢献に報いることができるよう「特別寄与料」を請求できるようになったのです。
しかし、冷静に考えてみて下さい。
貴女が長男の妻だとします。会社を辞めて夫の父(義父)の介護に専念しました。義父が死亡した場合、夫や夫の姉、弟らに「貴方たちの父親の面倒見たのだからお金下さい」って言えますか?
そんなつもりで面倒見ていたのか!と寒~い雰囲気になりそうですよね。今後の親戚付き合いに暗雲が垂れ込んでしまうでしょう。
仮に特別寄与料として300万円受け取った場合、妻は遺贈により金銭を取得したとみなされ、相続人ではないのに相続税の申告納税が必要になるのです。しかも税額2割増しで。
と考えると、どうすればいいか、どうしておくべきか、色々と考えられるのではないでしょうか。
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