投稿日:2022年9月13日
令和4年8月29日(月)の新聞に、『相続節税、イタチゴッコ~身構える中流層、不動産「小口化」市場が急伸~』の記事がありました。
不動産投資商品である不動産小口化商品が、相続税対策として高齢者に活用されているそうです。
相続税対策として現金を不動産に変える方法は昔から広く活用されています。相続が発生した場合、不動産は路線価や固定資産税等の相続税評価額で評価されるため、実際の時価よりも低くなり、相続税の負担が軽くなるからです。
現金3,000万円の相続税評価額は3,000万円ですが、不動産、特に賃貸している物件の場合、時価3,000万円の相続税評価額が1,000万円を切るケースも珍しくありません。
しかし現物の不動産を購入するためには多額の資金が必要です。しかも、時価と評価額の乖離が大きい都心部の一等地を購入しようと思ったら億単位のお金が必要になります。
不動産小口化商品であれば、一口数百万円程度で購入することができますので、無理のない資金額で都心部に物件を取得することが可能になります。
結局相続税対策として賃貸物件を取得するスキームは、単独所有だろうが小口化商品だろうが、狙いは時価と評価額の乖離ですので、今年の4月19日に最高裁が判決を下した総則6項(通称「札幌事件」)同様のリスクを踏まえておく必要があると思います。
つまり、
●相続直前に取得し、相続後に売却する
●高齢になってから取得する
●相続税対策以外に理由がない取引である
等の場合、租税回避とみなされ、相続税評価額ではなく時価で評価される可能性がありますので注意しましょう。
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