投稿日:2025年3月10日
令和7年2月28日(金)付の新聞に、『出生数最少72万人~社会保障現役世代に負担~少子化、政府想定超す』の記事がありました。
この手の発表に今さら何の驚きも新鮮味もありませんが、改めて記事を読むと、政府の読みの甘さ、将来に対するツケの重さにお先真っ暗な気持ちになります。
2024年に生まれた子どもの数が72万988人となり、日本人だけに限ると70万人を割っているという結果になりました。
国立社会保障・人口問題研究所が2023年4月に公表した将来推計人口によると、外国人を含む出生数が72万人台となるのは2039年の予想でしたので、国の想定より15年も早く少子化が進んでいることになります。
国立社会保障・人口問題研究所は「2024年の出生数は77万9千人になり、2023年の76万2千人から大きく回復する」と予想していましたので、どれだけ読みが甘いのか…真面目に計算しているのでしょうか?
「低位推計」では69万人と予想されてましたから、今後は悲観シナリオで様々な施策を検討しないといけません。現実を隠し、国民に見せかけの安心を与える楽観シナリオに騙されちゃ駄目ですよ。
死亡者数は約162万人と増え続けていますので、日本の人口は1年間で約90万人も減りました。和歌山県の人口が約88万人ですので、1年で和歌山県の人口がいなくなったことになります。
若い人が少なく、更に個人の価値観の多様性、女性の社会進出等が重なり、婚姻数も約50万組に留まりました。日本では婚外子が少ないので、婚姻数の減少は少子化に拍車をかけることになります。その結果、少子化は加速度を増し、人口減少が止まらないというの負のスパイラルに陥っています。
年金や医療・介護といった社会保障は世代間扶養の仕組みが採られていますので、支え手である現役世代が減り、給付を受ける高齢者が増えるのですから制度を維持できるのか甚だ疑問です。
仕組みそのものに限界がきているのは明らかです。最悪破綻もあるのでは…と考えてしまいます。
「持続可能な世の中」という言葉がありましたが、今となっては虚しく聞こえます。今の日本は何とか今を生き延びているだけですから。
問題を先送りし続けてきた政治家の責任、その政治家を当選させてしまっている我々国民の責任は重いですよ。
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