投稿日:2026年6月17日
令和8年6月7日(日)付の新聞に、『積年の恨み 矛先は霧消~「父は今認知症を患っています」~上司の暴行 16年後の提訴』の記事がありました。
密かにお気に入りの「揺れた天秤~法廷から~」シリーズ。
今回は、新人時代に上司から受けた暴行の恨みを忘れることができず、16年経ってから元上司を訴えた事件が取り上げられています。
色々と突っ込み処がある事件ですが、絶対に諦めない蛇のようなしつこさを持った原告の人間性にぞっとしました。

主人公の男性は50代、16年前に開催された社員旅行で殴ってきた当時の上司への恨みが忘れられず、簡易裁判所に5万円の慰謝料を求め提起しました。
簡裁は「男性が主張する事実を認めるに足りる的確な証拠はない」と男性の訴えを退けます。
これに納得いかない男性は地裁に控訴したものの、元上司が認知症を患い認知能力が失われており、男性が元上司に過ちを認めさせることに固執し特別代理人の選任申立てを頑なに拒否したため、訴えは門前払いの「却下」となってしまいました。
高裁でも「認知症であることは診断書がある以上、争いようがない」と男性の主張を歯牙にもかけず上告が退けられました。
男性は最高裁に上告しましたが、最高裁も半年足らずでこれを棄却。

恐ろしいくらい粘着質なしつこさ…怖すぎる。
執念深さを幾重にも重ねた相当面倒な男性の人間性に背筋がぞっとしました。
気持ちは分からなくもないですが、絶対に近付いてはいけない人物ですね。
この事件から学べることは2つ。
1つ目は、裁判は証拠が命であること。
確固たる証拠がない状態で戦っても無断な時間と労力を消費するだけになります。
2つ目は、裁判で勝ったとしても相手から謝罪を受けられるわけではないこと。
仮に謝罪があったとしても心からの謝罪ではなく口から出た形式的な謝罪に過ぎません。
勝ち負けじゃなく、相手に対する嫌がらせだけだったら好きなようにしたらいいと思いますが…。

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