投稿日:2016年4月4日
「相続」と「事業承継」を分けて考えたがる人が多いですね。
特に、金融関係の会社は、リテール部門が「相続」、法人部門が「事業承継」と、企業文化的に分けて考える人が多い気がします。
果たして、この考え方は正しいのでしょうか?
僕は違和感を感じています。
会長だろうと社長だろうと、人には誰でも「相続」は発生します。
財産の多い/少ないに係わらず、「相続」が発生したら、必ず何らかの手続きが必要になります。
会長や社長が死亡した場合、一連の相続手続きの中で「会社をどうするのか」という問題が付随して来るに過ぎません。
つまり、「事業承継」は「相続の1パーツ」と考えるべきなんです。
まず、社長個人としての「相続」対策、例えば「配偶者の老後の生活設計」や「争族対策」、「納税資金の確保」等を考え、並行して社長としての立場、例えば「後継者を誰にするか」、「支配権や経営権をどうするか」等を考えるべきと思います。
「相続」と「事業承継」を分けて考えるのではなく、一体として捉え、家族にとっても従業員にとっても安心できる対策を講じていくことが大切です。
そこに気付いたコンサルは、社長のハートをグッと掴むことが出来るでしょう。
確かに社長は目先の節税が大好きです。
社長に対するアプローチは節税から入るのが近道かもしれません。
しかし、本当に社長や会社の事を考えるなら、目先の税の繰り延べではなく、長い目で見た繁栄を考えるべきではないでしょうか。
また、財産が多いとか少ないとかが関係するのは「相続税」であり、「相続」そのものには財産の多い/少ないは関係ありません。
ですから、 「相続」と「相続税」も分けて考えるべきで、 「相続」に携わる専門家であれば、「相続対策」が必要なのか、「相続“税”対策」が必要なのか、見極めなければなりません。
是非、法人マーケットで仕事をする人で「事業承継」を極めたいのなら、「相続」そのものを勉強して欲しいと思います。
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