ブログ「相続の現場から」

相続の現場から「悲しい出来事」からの「看板に勝てず撤退の情けない話し」

投稿日:2016年2月25日

先日、継続して相続対策の相談に応じている方(80歳代)から「見て、保険で〇〇〇万円も儲かっちゃった」と通帳を見せられました。

 

<経緯は次の通りです。>

以前から相続税納税資金として加入していた億単位の円建て定額の一時払い終身保険について、銀行の担当者が「今解約すると〇〇〇万円の利益が確定しますから、一度解約し、再度加入してはいかがですか」と提案してきた。

当方に相談があったため、「当時は予定利率も良かったし、同じような商品に入り直すと予定利率が大幅に悪化するので、加入目的や年齢に照らし合わせ、無理に乗り換える必要ないと思う」と回答した。

その後、銀行が加入者の息子に接触し、「市場価格調整率がどうのこうの」「マーケットがあれこれ」「新商品の魅力抜群」等々、支店長まで出馬し大攻勢をかけた。

結果、言われるがまま既契約の生保を解約し、利益〇〇〇万円を普通預金に残し、残りは全額億単位の保険に入り直した

 

その方から見せて頂いた保険は、カタカナ生保外貨建ての一時払い終身思いっきり円安時に加入していました。

アップフロントの手数料は銀行の役席者の年収を楽勝で超えます。

 

「普通預金に入った利益は一時所得ですから、50万円引いて、2分の1かけて、賃貸物件の所得と合算して、総合課税で計算するので手取りじゃないですよ」と説明しても、「そんな難しい話し年寄りにしても分からないわよ」と聞いてくれません。

だったら尚更、外貨建ての一時払い終身保険の商品性なんて、全く理解出来てないでしょうね。

 

一連の手続きで一番儲かったのは誰か…誰にでも分かる話です。

 

特に悲しかったのは、息子がついていながら、銀行に丸め込まれてしまっていること。

上場企業のマネージャーなんですけどね。

プレゼン能力、高かったんでしょうね。

 

高齢の加入者は、銀行の支店長にチヤホヤされ、優しい言葉をかけられ、とても喜んでいました。

損してもいいんですって。

 

その時、僕の中で何かが弾けました。

僕は困っている人を助ける仕事をしているのであって、何で困ってない人に一生懸命になっているんだろう。

あれ、もしかして、世話焼き女房的な押しかけコンサルになってる?

これ、僕いらないじゃん。

取り巻きにチヤホヤされる方が楽しいんであれば、そうすればいい。

「間違っている」ときちんと言ってくれる人より、外面の優しい人が好きなら、どうぞご自由に。

だって、高い手数料を払わされたり、リスクの高い商品を買わされたりしてもお構いなしなんだから。

銀行のモラルは「法律や業法に抵触しなければOK、倫理や<人として>は横に置いといて」なんだから、この手続きは銀行的に問題ないんでしょ。

と言うか、加入者も息子も誰も文句言ってないし。

だったら、このままでいいじゃん。

 

良かれと思って一生懸命相談者を守ってきたつもりですが、どうやらお門違いでした。

この方のコンサルから下ろさせて頂きます。

億単位の相続税が発生するのですから資産背景は抜群、きっと黙って付き合っていれば<美味しい>先だと思いますが、ここはちっぽけなプライドを貫き通したいと思います。

限られた時間ですから、僕はもっと困っている人、僕じゃなきゃ駄目な人、僕を頼りにしている人のために時間を割きたいと思います。

 

あ~あ、商売下手だなあ…。

コツコツ稼ぐか…。

 

詐欺師

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