投稿日:2016年12月2日
父が死亡し、相続発生時点で遺産が現金1億円だったとします。
相続人は長男と二男の2人。
父死亡後、遺産分割する前に、長男が父のお金を勝手に4千万円使ってしまいました。
長男がお金を何に使ったのか、はっきり言いません。
さて、遺産分割の対象財産はいくらになるでしょうか?
相続発生時点の1億円?
それとも話し合い(遺産分割協議)を行った際に現存している6千万円?
税務的には相続発生時点の1億円を対象財産として手続きを進めることになります。
つまり、税理士に聞いたら「1億円」と回答が来るでしょう。
しかし、法務的には遺産分割時点に現存している6千万円を対象財産と考えるのが判例・実務です。
つまり、弁護士に聞いたら「6千万円」と回答が来ます。
実際には、長男が勝手に使った4千万円を長男の相続分として遺産分割協議することになりますが、長男がそのことに納得(合意)しない場合、二男は長男を相手に不当利得返還請求等の民事訴訟を提起することになり、話しがややこしくなります。
<相続>の話しをしているのか、<相続税>の話しをしているのか、によって対象財産が異なりますので、相談している士業が何の専門家なのか、きちんと理解した上で相談しましょう。
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