投稿日:2016年12月21日
僕は<業>として個別の相続案件コンサルティングを行っています。
いくら仕事と割り切っていても、感情的な部分でやりたくない案件もあれば、受託してしまった後に「受けなければ良かった」「最初から断れば良かった」と後悔する案件もあります。
こんなこと言ったら、
「仕事なんだから何甘いこと言ってるんだ!」
「選り好み出来る立場か!」
と怒られてしまいそうですが、長いことお客様を選べない立場である銀行で相続の相談に応じていたトラウマがあるんです。
取引や残高、将来的な旨味がある先に対して銀行はトコトン弱く、そう言う先には「相談に乗りましょうか」ではなく「相談に乗らせて下さい」とアプローチします。
すると、相手先は「相談の乗って当たり前」「相談してあげようか」の態度で相談に臨み、こちらが助言してあげているのに相手の方が偉そうな態度で聞くと言う変な力関係が生じてしまいます。
つまり、気持ち良くないんです。
それが嫌でたまりませんでした。
こんな人のために時間を割き、親身になって助言し、一生懸命勉強した訳ではないのに…と常に思っていました。
もちろん全員がそういう態度ではなく、尊敬できるお客様、助けてあげたいお客様もいましたが、相続相談について銀行とお客様の力関係は、ほとんどの場合【銀行<お客様】でした。
①相談者と当方が相思相愛な案件(相談者が僕を信頼し、僕も助けてあげたいと思う案件)
②お金をもらってもやりたくない案件
③お金の問題ではなく助けてあげたい案件
④仕事(お金)だから仕方がないと割り切って受託する案件
①相談者と当方が相思相愛な案件は、ハッピー、何も説明することないでしょう。
②お金をもらってもやりたくない案件は、最初から断りますのでトラブルになりません。
例えば、脱税と節税の区別がつかない人、自分だけが儲かりたいと強く願いかつ手段を選ばない人、人として駄目な人等々。
③お金の問題ではなく助けてあげたい案件。当社はNGO団体ではないので業として考えた場合本来あってはならないことなのは重々承知の上、たまに「僕じゃなきゃ駄目だな」「助けてあげたい」と思う案件もあります。
問題は④仕事(お金)だから仕方がないと割り切って受託する案件です。
必ず後で嫌な思いをしますし、お金や助言を巡ってトラブルになります。
生活のためなのか、自分の弱さなのか…悲し話ですが、独立当初は我慢して門戸を広げて受託していました。
でも、今は違います。
相手のことを「助けたい」と思わなかったら、いくらお金を積まれても相談には応じません。
相談者(お客様)が相談先を選ぶように、僕も相手を選びます。
その変わり、受託したら最後まで諦めず、絶対逃げず、必ず“答え”を出します。
だから一見(イチゲン)さんのコンサルは受託しないことにしたのです。
なかなか上手くはいきませんが、理想と現実の狭間で信念を貫いていきたいと思っています。
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