ブログ「相続の現場から」

養子縁組は姑息な手段なのか

投稿日:2017年2月17日

節税目的の養子縁組が最高裁で有効とされてから、相続対策としての養子縁組について意見が飛び交ってますね。

その多くが批判的で、後ろ向きな意見が多いように感じます。

 

●戸籍を汚す

●登場人物が増えて面倒が生じる

●姑息な手段

●元々の相続人の相続分が減る

●争族を生むだけ

 

確かに一理ありますね。

何も考えず、目先の節税だけを目的に安易に取り組んだ場合、上記の泥沼に陥るケースもあります。

 

しかし、例えば、

●元々相続人に不公平な援助を行っていた

●面倒を見てくれた子の直系に財産を相続させたい

●お金に汚い相続人がいる

●特定の相続人の遺留分を少なくしたい

●長期的なスパンで相続対策を講じたい

等が相談者の希望だった場合、養子縁組は有効な手段の一つになります。

 

もちろん相続税節税効果も抜群です。

 

元々何かしらの不公平・不平等があったり、親子関係・兄弟関係が不仲だったり、性格的・生理的に相性が悪かったり、はどこの家族にもある話です。

 

争族になって得する人はいませんが、それでも嫌いな人は嫌いだし、嫌なことは嫌だし、どうやったって人の感情はコントロール出来ません。

 

「こうすれば皆が笑顔」と言う魔法はありません。

 

<経済合理性>や<損得勘定>だけでは説明がつかないのが相続なんです。

 

そのことを理解した上で、相続の専門家は何らかの答えを出さなければいけないのです。

正解なんてありません。

 

親が自分の財産をどうしようが(原則として)それは親の自由ですから、親が暴走しているなら注意しますが、親なりのきちんとした考えの下に対策を講じていきたいと考えているなら、僕は相談者の希望を叶えるために「知恵」を絞り、その結果養子縁組が有効だと思ったら迷わず提案します。

 

もちろん、提案するに際し、事前に将来生じるリスク、障害、メリ/デメ等すべて丁寧に説明し、正しく理解してもらった上で取り組んで頂きます。

 

その引き出しの数が<実務>です。

 

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