投稿日:2019年2月4日
父が死亡した後、相続人である子が自ら「財産はいらない」と手続きすることを「相続放棄」と言います。
誰かに強要されて手続きするのではありません。
また、相続発生前に手続きすることもできません。
父が相続人である子から虐待されたり、重大な侮辱を受けたり、或いは著しい非行が相続人にあったとき、父はその子の相続人の地位を剥奪することができます。
それを「廃除」と言います。
剥奪するかどうかの判断は父であり、子ではありません。
父は、生前に廃除することもできますし、遺言で廃除することもできます。
父を殺した子や、父に自分が得するような遺言を作成させた子に相続権はありません。
その子は「相続欠格」だからです。
相続欠格は法律上当然に相続人としての資格を失うので、「相続放棄」や「廃除」のように家庭裁判所で手続する必要はありません。
そもそも、父の意思を問う必要もありません。
相続放棄した子、廃除された子、相続欠格となった子にそれぞれ子(つまり父から見たら孫)がいた場合、孫は代襲相続人になれるでしょうか?
●相続放棄した子の子 → 代襲相続権なし
●排除された子の子 → 代襲相続権あり
●相続欠格となった子の子→ 代襲相続権あり
例えば、子が父を脅し、自分が全部の遺産を相続できるような遺言書を書かせた場合、父が死亡しても遺言を無理矢理書かせた子に相続権はありません。
「相続欠格」だからです。
この場合、孫は、子が相続欠格であることを知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告を行うことになります。
あまり例はないと思いますが、似ているこの3つの制度について、誰が主体者なのか、手続きは必要なのか、確定した後どうなるのか等、整理して覚えておきましょう。
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