投稿日:2020年5月27日
昨年12月に死亡した父の遺品を整理していたところ、なんと自筆証書遺言が発見されました!
きちんと封緘され、印で〆ています。
そこで、検認手続きをすべく、立川にある家庭裁判所へ行ってきました。
長いこと相続に携わっていますが、実は当事者として検認手続きに立ち会った経験は一度もありません。
当たり前です。だって、関係者じゃないと部屋に入れませんから。
相談者の検認手続きに付き添い、外の待合室で待っていたことはありますけど。
弁護士であっても検認手続きに立ち会った経験がある人はほとんどいません。
だって、当事者じゃないと部屋に入れませんから。
なので、専門家と言えども、ほとんどの場合、検認手続きについては人から聞いた話を説明しているだけなんです。
親父、貴重な経験させてくれてありがとう!
検認申し立てを行うと、書記官から日程すり合わせの連絡が入り、日時が決まるとこんな書類(検認期日通知書)が届きます。
指定された日時に家庭裁判所に行き、待合室で待ちます。
時間が来ると、担当書記官にが迎えに来てくれ、一緒に部屋に入ります。
部屋に入り、まず出頭者名簿に氏名を書き、必要書類を記載します。
書き終わると、担当書記官が裁判官へ連絡し、裁判官が入室したら検認手続きが始まります。
まず、裁判官から遺言書が保管されていた状況や発見してから今までの保管状況等を尋ねられます。(けっこうしつこく、細かく、アレコレ聞かれます)
状況確認後、担当書記官が遺言書が入った封筒にハサミを入れ、裁判官へ渡し、いよいよ遺言書を確認します。
ドキドキの瞬間。
ついに、自筆証書遺言が開示されます。
その瞬間、そこにいた全員が凍り付きました。
なんと、父の遺言書がパソコンで書かれている…。
マジか…!?
日付と署名は自書でしたし、押印もありました。が、本文はパソコンで書かれています。
親父~、なんでだよー!!!!!
自筆証書遺言は日付や署名を含め、全文を自書する必要があります。
つまり、この遺言書は法的には無効。
裁判官から「一応「検認書」書きますので。検認は遺言の有効無効を判断する場ではありませんので、その辺りの話しは別の場でお願いします。書いてあることは故人の遺志で間違いないでしょうから、この遺言書を元に皆さんで話し合われたら良いと思います。」と慰め(?)のお言葉を頂きました。
頂いた「検認証明書」です。
帰路につく足取りが重かったのは言うまでもありません。
相続事務所代表の父の自筆証書遺言が法的に無効…。
ネタとしては美味しいか!?
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