投稿日:2021年10月4日
会社オーナーの相続対策や事業承継を検討する場合、自社株の評価額は重要です。
会社の価値はいくらなのか?
相続税はどれ位かかるのか?
納税資金は足りているのか?
ところで、自社株の評価額っていくつあるか、考えたことありますか?
相続に携わっている人だと、まず「相続税評価額」が頭に浮かぶと思います。
「相続税評価額」は、同族株主等の場合の原則的評価方式と、同族株主等以外の場合の特例的評価方式に分かれます。原則的評価方式は、類似業種比準価額、純資産価額、会社規模による併用などで計算され、特例的評価方式は配当還元方式で計算されます。これらをまとめて「相続税法上の時価」と言います。
ただし「相続税評価額」は個人が保有する自社株を個人が贈与、相続又は遺贈などで取得する場合の価額ですので、親子間売買や法人が介在する売買に使ってはいけません。その場合は、「所得税法上の時価」や「法人税法上の時価」を用います。
「税法上の時価」と言っても、当事者が個人なのか法人なのかによって適用となる税法が異なり、税法が違うと評価額(時価)も異なるのです。
その他、第三者とのM&Aで会社そのものを売買する時には、純粋なる「時価」が適用になります。
つまり、「税法上の時価」として3つ(相続税法、所得税法、法人税法)あり、これに純粋なる「時価」を加えると自社株の価額は計4つあるのです。
一方課税関係に目を向けると、自社株を渡す側に個人と法人があり、自社株を受け取る側にも個人と法人がありますので、これだけで2×2=4通りの組み合わせがあります。
それだけではありません。
個人も法人もそれぞれ支配権があるのか/ないのかによっても課税関係が異なりますので、実は組み合わせとしては4×4=16通りあるのです。
16通りの組み合わせに対し、4つの価額を当てはめていく…あー、ややこしい。
自社株を評価する際、税理士に「誰から」「誰へ」「どのようにして」をきちんと伝え、目的に沿った“時価”を試算してもらいましょう。
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE