投稿日:2021年6月7日
令和3年6月2日(水)の新聞に、『「投資助言に対価」模索~千葉など3地銀、野村と新会社~供給側からの中立性カギ』の記事がありました。
野村證券が中心となり、地銀3行と一緒に、金融商品販売に伴う手数料を一切受け取らず相談料しか取らない助言会社を立ち上げる、という内容です。
●出資者に顧客情報を還元することはない。
●金融商品の媒介や推奨を手掛けることはない。
●個人から受け取る年会費や手数料が唯一の収益となる。
これが本当ならば素晴らしいです!
当初の専属アドバイザーは20名程度らしいのですが、役員や事務スタッフを考えると社員数は30名規模になるでしょう。社員の多くは野村を始めとする出資者からの出向らしいので、平均年収を600万円と仮定しても人件費だけで約2億円。そこに賃料等の経費を考えると、黒字にするためには最低でも3億円の売上が必要です。
3億円÷12月=2,500万円/月
2,500万円/月÷営業日数20日=125万円/日
125万円/日÷専属アドバイザ―20名=約6万円/人
専属アドバイザー1人が1日に相談を受ける人数を3人と仮定した場合、相談料は1人2万円になります。
これが高いかどうかは「質」と「結果」次第です。
実際は会員制度もある様子なので、サブスク手数料も発生するでしょう。だとしても相談料は1人1万円はかかるのではないでしょうか?
「相談は無料」の文化が根付いている日本ではなかなか難しいビジネスモデルですが、風穴を開けてもらいたいなと思います。
記事には「中立の立場を掲げながら、手数料を目当てに活動するアドバイザーが日本では少なくない。」とあります。
確かに(僕の個人的な感覚としては)投資助言やIFAのほとんどの人が投信や保険等のバックエンド商品を抱え、バックエンド商品販売に伴う手数料をで生業を立てている人がほとんどに感じます。たまーに「販売にはタッチしない」と言う人もいるので、ゼロではありませんが…。
「アドバイスでフィーを受け取る業態が日本でも成り立つかを模索する試み」、応援しつつ行方を見守りたいと思います。
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