ブログ「相続の現場から」

相続実務ワンポイント『駆け込み対策の包囲網狭まる』

投稿日:2026年2月1日

令和8年度の税制改正で貸付用不動産や不動産小口化商品の評価方法見直しが項目に挙げられています。

 

これらは正確にいうと税制改正ではなく、財産評価に関する通達の見直しなのですが、いずれにしても相続開始が近いと予想される状況における相続税対策を封じ込める施策であることに疑いの余地はありません。

 

そこで、近年における「駆け込み対策封じ込め策」についてまとめてみました。

 

①小規模宅地等の特例の「3年縛り」

小規模宅地等の特例について「相続開始前3年以内に新たに開始した事業や貸付については適用なし」と改正されています。(貸付用については平成30年度税制改正、事業用については平成31年度税制改正)

いくつか例外もありますが、高齢になってからアパートを建てても小宅の適用を受けることができない可能性があります。

 

②暦年課税における相続前贈与の加算期間の延長

相続開始前に行われた贈与について、相続財産に加算される期間が3年から7年に延長されました。(令和5年度税制改正)

実際に7年となるのは令和13年以降に開始した相続等からですが、高齢になってからの贈与に相続対策としての効果を求めるのであれば一工夫必要です。

 

③相続開始前5年以内に取得した貸付用不動産の評価方法の見直し

相続開始前5年以内に購入等した賃貸物件は取得価額の8割で評価されることになります。(令和8年度税制改正、通達改正)

2割は評価を下げることができますのでまったく効果がない訳ではありませんが、今までのような絶大な効果は期待できなくなります。

 

④不動産小口化商品の評価方法の見直し

取得した時期にかかわらず相続開始時における時価によって評価されることとなります。(令和8年度税制改正、通達改正)

 

その他、令和4年4月19日の最高裁判決(通称「札幌事件」)以降、総則6項の適用件数も増加傾向にあり、貸付用不動産に限らず、取引相場のない株式(いわゆる自社株)についても「伝家の宝刀」が抜かれるケースが増えています。

 

相続対策にとって重要なのは時間を味方につけること。

 

高齢になってから慌てて対策を講じるのではなく、元気なうちからじっくりと時間をかけて対策を講じるよう心掛けましょう。

 

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