ブログ「相続の現場から」

どうなる「納税猶予制度」

投稿日:2026年9月16日

平成30年1月1日にスタートした「非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予及び免除の特例」、いわゆる「法人版事業承継税制」が令和9年12月31日をもって10年の適用期限を迎えます。

 

つまり、あと1年強でこの制度は使えなくなるということ。

 

「法人版事業承継税制」は時限立法の特例制度ですから。

 

政府・与党は本制度について一貫して「延長しない」と発言していますが、存続を強く求める経済産業省は形を変えて生き残る道を模索しているようです。

 

中小企業を所管している経済産業省は「中小企業の存続及び発展のためには事業を承継する後継者の税負担を少しでも減らす必要がある」と考えています。

 

そのため、中小企業庁が「中小企業の親族内承継に関する検討会」において「事業承継税制の在り方」について議論を続けています。

 

その中で現行の特例制度である「納税猶予」ではなく「納税免除」の話が出ており、令和9年度の税制改正要望に案を盛り込むようです。

*新聞記事はこちら

 

「法人版事業承継税制」は、相続等した非上場株式について、令和9年9月30日までに都道府県に対し「特例承継計画」を提出した上で一定の要件を満たした場合に納税が猶予される制度です。

 

そして、後継者が死亡する、或いは次の後継者へ非上場株式を贈与した場合、猶予された納税が免除される仕組みになっています。

 

あくまで「猶予」ですから、何かあれば猶予が取り消され「猶予した税金を払え」と言われてしまう恐れがあります。

 

また、納税が免除されるのは相当先の話になりますし、適用を受けた後は当初5年間は毎年、以降は3年毎に「継続届出書」を提出しなければいけないと、後継者にとって「使わなくて済むなら使いたくない」というのが本音という使いずらい制度になっています。

 

これがいきなり「免除」になったら、そりゃ後継者は嬉しいですよね。

 

ただ、「免除」されるための条件がどうなるのか気になります。

 

当たり前ですが、事業実態のない資産管理会社や節税目的の会社は対象外となるようです。

 

また、法人ではない個人事業との兼ね合いも気になります。

 

「会社にしていれば贈与税や相続税がかからない」「個人事業のままだったら贈与税や相続税がかかる」ではちょっと不公平な気がします。

 

尚、「個人版事業承継税制」の適用期限も令和10年12月31日に到来します。

 

そもそも「活用した」という話を聞いたことがないのでどうでもいいのですが、事業を法人で行うか個人で行うかにより税負担が大きく異なることへの批判を避けるため議論されるかもしれません。

 

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