投稿日:2016年7月6日
相続税対策の一環として「アパート建築」や「不動産投資」が流行っています。
不動産の<時価>と<相続税評価額>の乖離を利用したスキームであり、首都圏を中心に盛り上がりを見せています。
今回は、賃貸物件で<入居者が死亡した場合の注意点>について情報提供したいと思います。
アパートや投資用不動産の借主(入居者)が死亡した場合、借りている権利(賃借権)は消滅せず、相続の対象になります。
不動産賃借権は不可分債権ですので遺産分割が必要になり、遺産分割が成立しない未分割状態のうちは相続人全員の準共有になります。
一方、賃料債権は不可分債権ですので、貸主(オーナー)は、相続人が複数いても借主(入居者)の相続人の1人に賃料の全額を請求することが出来ます。
しかし、もし被相続人(入居者)に未払い賃料が発生していた場合、未払い賃料債務は単純な金銭債務であるため可分債権となり、貸主(オーナー)は法定相続割合に応じて各相続人へ賃料の支払いを請求しなければなりません。
賃貸借契約を解約する場合の「解約通知書」も未払い賃料と同様に、相続人全員へ送る必要があります。
相続税対策としての「不動産投資」だと、どうしてもオーナー側の相続発生を軸足に考えてしまいますが、入居者に相続が発生した場合のリスクも考え、保証人を相続人にしておく等の措置を講じておいた方が無難かもしれません。
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE