投稿日:2018年3月2日
いくら「相続対策は、①遺産分割対策、②相続税納税資金の確保、③相続税節税、の3つをバランスよく講じることが重要です」と言っても、やっぱりお客様の関心事は「節税」です。
「揉めたら大変ですよ」「遺産分割が成立しないとお金を引き出せませんよ」「10ヶ月以内に話がまとまらないと納税に間に合いませんよ」と言った所で、
「(遺産分割が大事なのは分かるけど)とにかく税金を払いたくない」「少しでも安くしたい」と前のめりになっているお客様が多いのが実際の所です。
ですから、多少回り道であっても、お客様が一番気になっている税金から話しはじめることは、対顧上仕方がないのかなと割り切っています。
節税から入り、聞く耳を持ってもらった上で、節税するためには遺産分割対策を講じておく必要があるし、納税資金を確保しておかないと終わらないし、と説明を続けるようにしています。
先日お客様向け相続セミナーの最中、一番前に座っている高齢の男性が突然手を挙げました。
「先生、相続が大変なのは良く分かりました。名義を女房にしても無駄なのも分かりました。難しい話はいいから、どうすればいいか教えて下さい。結局僕はどこに隠せばいいんですか?庭に穴を掘っても駄目なら、どこなら大丈夫なんですか?」
?????
その男性は、50名の参加者を前に大きな声で質問しました。
悪い質問をしている罪の意識ゼロの、堂々とした態度でした。
さて、どう説明したら納得してもらえるでしょうか。悩みますね。
今更「節税」と「脱税」は違いますと説明した所で、理解してくれないでしょうね。
セミナーにはどんな人が参加しているか分かりません。
ときに、こちらの予想を上回る発言が出る場合があります。
講義内容をスラスラ話せるだけでは講師は務まりません。
どんな状況でもいなせるアドリブ力も講師に必要なスキルだと思います。
講師も意外と大変なんです。
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