投稿日:2022年8月17日
遺産分割が争族となった場合によく出る「遺留分」
遺留分って、「請求する」方が楽なのか、「請求される」方が楽なのか、って考えたことありますか?
人によって考え方は様々だと思いますが、僕は「請求される」方が楽だと思っています。
「請求する」場合、自ら①相続財産を確定させ、②財産の価値(時価)を査定した上で請求しなければいけません。
まず、相続財産を確定させるのがとても大変です。非協力的な相手が全容を握っているのですから。
調査しても分からない、相手が財産を開示してくれない等相続財産の全容が把握できない場合、別途訴訟を起こさざるを得ないケースも考えられます。
また、財産の価値(時価)の査定も大変です。例えば、不動産であれば、物件を確定させた上で必要な資料を揃え、業者から査定書を取ったり、不動産鑑定士に評価を依頼したり、お金も時間もかかります。しかも、賃貸物件の場合、詳細な賃貸条件が分からなければ査定できない可能性もあります。
「請求される」場合、相手が請求してきた内容によって判断すれば足りるので、基本的には「待ち」の姿勢になります。請求が妥当であれば請求通りに払えばいいし、納得いかなければ反論すればいいのです。
調停の場合、「請求する」側は「申立人」、「請求される」側は「相手方」と呼ばれますが、審判(裁判)になった場合、「請求する」側は「原告」、「請求される」側は「被告」と呼ばれますので、時々「請求される」側の人から「被告って…、私が何か悪いことしましたか???」と聞かれる場合があります。
単なる呼び方のルールに過ぎないのですが、遺留分を請求されることなんて一生に一度あるかないかですので、【被告側待合室】に案内されるだけで犯罪を犯したような気分になり精神的に滅入ってしまう方もいらっしゃいます。
僕は「請求される」方のデメリットはそこだけかなあと思っています。
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