投稿日:2025年6月16日
令和7年6月13日(金)、「年金制度改革法案」が参院本会議で採決され、自民・公明・立憲民主3党の賛成多数により可決されました。
今回の改正概要を簡単に説明すると、次の通りとなります。
①厚生年金の加入要件である「年収106万円の壁」撤廃(収入に関係なく働いたら厚生年金に強制加入)
②厚生年金の適用事業所である企業規模要件を段階的に撤廃し、2035年10月には完全撤廃する
③厚生年金の標準報酬月額を段階的に引上げ、2029年9月に75万円とする
④在職老齢年金の見直し(賃金+年金=月額62万円以下であれば年金の減額なし)
⑤iDeCoの加入年齢を70歳未満まで引き上げ
⑤遺族年金の男女格差の解消
日本の公的年金や医療・介護といった日本の社会保障制度は、
●人口が右肩上がりに増えていく
●いつの時代も「夫は会社員、妻は専業主婦、子は2人」のモデル世帯が中心にいる
ことを前提とした世代間扶養の仕組みにより設計されています。
制度が創設された当時はこの前提条件に疑いを持つ人はほとんどいませんでしたが、徐々に時代の流れにそぐわなくなり、今となっては完全に時代遅れの遺物となってしまいました。
過去何度も「このままではもたない」と見直す機会があったのに、「自分が政治家のうちは波風立てたくない」という保身的な思想と、「将来風向きが変わるかもしれない(人口が増えるかもしれない)」という根拠のない楽観論に流され、取り返しがつかない所まで来てしまっているのです。
そもそもの制度設計に無理があるのですから、どこかの時点で抜本的に見直す(ガラガラポンで一から制度設計をやり直す)必要があったにも関わらず、そんなリーダーシップを発揮できる政治家はいませんし、また危機感を敏感に感じる能力を有している政治家もいませんから、結局現行制度の延命を優先させるべく、問題が先送りし続けられてきました。
今回の改正も、根本的な問題には一切手を付けず、お茶を濁したに過ぎません。
このままじゃ、今の子供たちが可哀そう…。
2015.12.14
2025.6.3
2022.5.16
2025.5.28
2024.11.7
2025.5.17
2017.12.22
2020.2.4
2024.12.20
2025.5.19
© 2014-2025 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE