投稿日:2015年12月16日
本日平成27年12月16日(水)付の新聞に『成年後見制度 遺言台無しの可能性も』の記事がありました。
相続に携わる一人として、実務・経験の重要性を再確認しました。
記事の概要は、以下の通りです。
「家族に内緒で遺言を作成していた高齢者Sさんが認知症になり、成年後見人に選任された弁護士が、銀行の貸金庫にあった遺言書を私信と勘違いし確認せず、Sさん本人や家族に事情聴取もしないまま任意の判断で資産を売却等してしまい、Sさん死亡後に遺言の存在を知った相続人が驚いて家庭裁判所に苦情を申し立てたが、納得のいく返事は得られなかった」
記事の中では、「長男か長女を任意後見人に指定し、考えを共有しておけば良かった」と書いてあります。
言いたいこと、突っ込み処はたくさんあります。
しかし、相続案件は杓子定規に割り切れるものではなく、完全に同じ案件はありません。
机上の知識だけを学んでも、単に長く相続に携わっただけでも、“答え”は出せません。
それは、<問題を見つける所から始めないといけない>からです。
問題のほとんどは潜在的で、本人すら「理解・認識・把握していない」ことがほとんどです。
出された問題を解くだけだったら簡単です。
<問題が何なのかを見つけてから答えを探していかないといけない>から相続は難しいのです。
しかも、正解が何なのか、誰にも分からないのです。
相続に携わる人は、自身の目先の利益だけを追求するのではなく、相談者の意向を汲み取り、更に相談者の家族や関係者等ですら認識していない問題点を浮き彫りにし、その上で知識と経験をフルに活かし解決策を探り当てなければいけないのです。
●柔軟な発想を持つこと
●偏った考え方を捨てること
●「木を見て森を見ず」とならないこと
●その上で、常に向上心を持って勉強すること
を肝に銘じた朝でした。
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