投稿日:2026年7月15日
令和8年7月5日(日)付の新聞に、『信じた「離婚」問われた過失~「安易で紋切り型の判断」~最高裁判事、高裁に喝』の記事がありました。
密かにお気に入りの「揺れた天秤~法廷から~」シリーズ。
今回は、職場の女性から夫婦仲が悪いと相談され、その後女性から離婚届を見せられたことから男女の仲に発展したところ、女性の夫から不倫の慰謝料を請求された裁判が紹介されています。

訴えられた男性は「女性から妻の欄に氏名が記載された離婚届を見せられ「離婚する」と聞いていた。離婚しているものと信じ込んでおり、そこに故意や過失はなく、慰謝料を払う義務はない。」と主張しました。
女性の夫は探偵に依頼し、妻が深夜に男性の自宅に滞在している事実を掴んでおり「妻との不貞行為によって配偶者としての地位を侵害された。精神的苦痛、屈辱は計り知れない。」と約300万円の慰謝料を請求しました。
女性は、離婚していないのに離婚したと嘘をついた理由について「もう夫婦じゃないと思っていた。」と法廷で発言しています。
2024年8月の一審判決は「不貞行為に及んだとまで推認できない」として夫の請求を退けました。
2025年2月の二審判決は、一転して不倫を認め「婚姻関係が破綻していると噓を言って不貞行為に及ぶ者が多いことは知られており、うのみにするのは注意が足りない」と男性の過失を認定し、約55万円の支払いを命令しました。
男性が最高裁に上告したところ、当事者双方から主張を聞く弁論が開かれ、裁判長から婚姻関係の破綻に関する質問があり、その2か月後「婚姻関係が破綻していると男性が信じる相当の理由があったとみる余地がある。」として審理が高松高裁に差し戻されました。

興味深いのは、最高裁が「高裁の審理、判断、判決の在り方いずれにも問題がある。安易で紋切り型の判断に陥らないよう、裁判所や当事者は過去の判例の趣旨を十分踏まえて必要かつ適切な訴訟活動を怠ってはならない。」と指摘していること。
分かりやすく言えば、最高裁による高裁の駄目出し。
「勉強ができること」と「人としてまともかどうか」は別の話だと思うのですが…。

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