投稿日:2025年6月25日
以前からずっと気になっているTVのCMがあります。
それは某区分所有不動産販売会社のCMです。
会議中(恐らく役員会議)にある役員が「取引先から発注先を他社に代えると連絡が…」と社長に報告した所、社長が「例の●●(社名)ってやつ、そろそろ考えてみないか?」と皆に投げかけます。
それを受け、別の役員が「(不動産を買うってやつですよね?)そんなことしている場合じゃないですよ」と発言します。
画面が変わり、某不動産会社が社長に「不動産が役に立っている会社もあります。会社の未来を考えるのは社長の役目です」と助言する回想シーンが流れ、それを思い出した社長が役員に「皆さん、これは長期の事業戦略の一つなんだ」と不動産投資に踏み切る決意を示します。
これ、ダメ会社(社長)の典型ではないでしょうか。
本業が上手くいかないから不動産投資に踏み切るって、違うでしょ!
まず本業をどう立て直すかを考えないと。どこに問題があって、今後どうすべきかを検討し、経営の舵取りを行うのが社長の役目でしょ。
本業に問題なく、その上で「多角化の一環として資産の一部を不動産に切り替える」のだったらまだ分かりますが、本業で問題が生じたから不動産投資に切り替えるって…この会社大丈夫?
不動産は不労所得ですから、基本的に社員がやることはほとんどありません。なのでこの会社は社員をリストラし、社長だけが生き残るつもりなのかもしれません。
「そんなことしている場合じゃないですよ」と進言した役員はまともです。その通り!
会社員として上手くいかないから転売(背取り)ビジネスで生計を立てたい、親の資産を運用して生計を立てたい、本業が上手くいかないから不動産投資に切り替えたい等の相談を受けることがあり、実際に実行した人達を見てきましたが、上手く行っている人を見たことが(僕は)ありません。
安易に楽な方へ逃げてしまう人は何をしても上手くいきません。
そういう人に寄ってくるのは、その人を金づるとしか考えていない人達だけです。
100年続く会社は本業と真剣に向き合っている会社です。
上手くいかない時に社長の本当の姿が現れます。
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