ブログ「相続の現場から」

毎年恒例、「敬老の日」に合わせ高齢者の数が発表されました。

投稿日:2014年9月16日

総務省及び厚労省の集計によると、「100歳以上の高齢者」の数は、過去最多の58,820人、うち女性が51,234人と87.1%を占め、初めて女性だけで5万人を突破したそうです。

「65歳以上の高齢者」の数も、団塊の世代全員が65歳に達したため3,296万人に達し、総人口に占める割合も25.9%と過去最高を更新したそうです。

 

高齢化の進展は今後更に加速し、20年後には65歳以上人口が総人口の3分の1を超えることが確実視されています。

 

先日ある相談者(女性)から「年金保険料を払っても、早死にしたら損じゃない!だから年金保険料なんて支払うつもりないのよ」と言われました。

その方は独身で、頼る親戚もなく、自分の力だけで老後を生きていくつもりの方です。

 

確かに、損得勘定だけを考えると、早死にすると支払った保険料が“掛け捨て”になりますから一見すると損に見えてしまいます。

「公的年金は加入する/しないを選べる任意の制度ではなく法律で定められた強制加入の制度です、世代間扶養なので貴方が保険料を支払わないと困るのは貴方の両親です、障害者になったら困るのではないですか…」と説明したのですが、「世の中には年金保険料を支払っていない人が大勢いる、親はそれなりに裕福だ、障害者になっても何とかなる、私は早死にの家系だ、損する可能性が高い制度にお金を使うのはもったいない…」と全く耳を傾けてくれませんでした。

 

う~ん、難しい。確かに、若年世代は支払った保険料に見合う年金を受領できない可能性が高く、「だったらその分貯金に回した方が得になる」と考えてもおかしくありません。

しかし、そもそも公的年金は自分で支払った保険料に利息をつけてもらう制度ではなく、損得勘定を抜きにした強制加入の制度です。貯金とは考え方が根本的に違います。

 

持論ですが、年金保険料も税金として強制的に一括徴収した方が分かり易いのではないでしょうか。

そうそれば、損得勘定はなくなるし、徴収する側のコストも引き下げられるし、国民負担率も分かり易くなります。

「社会保険と税金はその生い立ちや考え方、制度の基本等が全然違う」と既得権益を守りたい人達は言いますが、国民が国にお金を支払う意味では同じです。

もちろん、余計な箱モノに大事なお金を使われても困りますから、貯まったお金の使い道は厳しくチェックしなければいけません。

 

高齢者の数は今後もうなぎ上り、それに引き替え“支え手”である子供の数は減っていく、消費税や所得税、相続税等国民の税負担は増える一方、なのに世界でも稀にみる長寿国、老後は長い…。

 

「敬老の日」に発表される数字を前に、自分の事として、「長い人生をどうやって乗り切ろうか」、「本当に自分の身を守るのは自分だけなのか」、悩んでしまいました。

よ~く考えてみる必要がありそうですね。

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